直島へ その1

 今月上旬、瀬戸内海にある直島を訪れた。三年前に一度行ったことがあり、もう一度、また来ようと、その時思っていたが、こんなに早くまた来るとは自分でも思っていなかった。島の周りの海は、日本海育ちの自分にとっては、ホントに穏やかで静か、たおやかな海の表情。気候も安定していて穏やかなようだ。運良く2回目も天候には恵まれる。今回は、ほんの少し肌寒くはあったが、そうした穏やかで静かな海辺を歩くと、所々に風景の中にとけ込む立体作品がちらほら。海辺に鎮座する草間作品は、まるでずっと昔から、そこにあったかのような存在感。海の青とのコントラストが美しい。

風を感じながら、もう少し歩いていくと、ぽつんぽつんと様々な作品に出会う。


 他にも良く知られた「家プロジェクト」様々なアーティストが古民家を改築して作ったインスタレーション作品など。下の写真は、コラージュ的な手法で、建物を丸ごと作品化した大竹伸朗作品の「はいしゃ」その名の通り、ここは元歯医者さんの建物だとか。舟の大きなパーツや、どこかの田舎のパチンコ屋かラブホから持ってきたかのような「なんちゃって自由の女神」地元で見つけたような廃材、看板などが無作為な感じでミックスされている。いつもながらの作風だが、生で見ると、ものすごいエネルギーが伝わってくる。作品から、熱量が半端無く放射している。

他にも、古い日本家屋の居間の中に池のように水を敷き詰めた宮島達男作品。水の中には、静かに点滅を繰り返し続ける、赤い0〜9の数字。ぼ〜っと眺めていると終わること無い点滅の営みと、静かな空間に、不思議と、どこか仏教的なモノを感じさせられる。山に登ると神社がある。ガラスの階段で神社と、その階下の石室をつないだ作品の杉本博司。この階段はどこに向かうのだろう。

中でも印象的だったのは安藤忠雄ジェームズ・タレルのコラボ作品。ひかりを意識したような作品で知られるタレル作品だが、建物の中に入るとそこは、暗闇。中途半端な暗さではなく、まるで何も見えない。目を開けているのか閉じているのかさえ分からない。そんな空間で、ずっと過ごし10分ほど経過しただろうか?最初に係員に説明を受けたとおり、少し目が慣れて、ぼんやりと明かりらしきものが見え始め、そちらに向かって、ゆっくりと歩く。一歩、また一歩、ぼんやりとした明かりに近づき、それは少しずつ近づいてくるようだ。そうして、先へと進み、一歩踏み出した瞬間、その明かりは突如、自分に多いかぶさるように突如大きくなる。それと同時に、足に何か物体がぶつかった。どうやらフェンスらしきものがあるようで、そこから先には、行けないようだ。暗闇で視覚しか意識しない中、突如、自分の肉体を意識させられ、急に目が覚め、現実に引き戻されたかのようだった。
『闇』と『ひかり』人間の視覚効果をとらえて作られた体感型インスタレーション作品。

そして依然訪れたときに最も衝撃だったのは「地中美術館
これについては、また後日に.....................................................