あいちトリエンナーレ

先週末に「あいちトリエンナーレ2013 」を訪れました。
今回のテーマ「揺れる大地―われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」と、主催側の企画内容に興味を抱き、実際に展覧会を見てきました。やはり”東日本大震災後”を意識した作品も多く、ダイレクトに表現した作品や、それをイメージさせるもの、揺らぎ、境界線の曖昧さなどを主題とした作品など、おそらく震災を通して、感じたであろう問題。当たり前のように目の前や我々の足下に存在しているものの脆弱さを様々な表現方法で表された作品が多くありました。テーマ性の捉え方に、それぞれ違いはあれど、どれも表現の持つ力強さに圧倒された展覧会でした。3.11という歴史上のターニングポイントを、アートとして、どう捉えるか?必ずしも、こうした社会的な事柄とアートが密接でなければ、ならないとは全く思いませんが、社会性とアートの関係性といった点で非常に感慨深く、考えさせられるものがありました。社会的な問題をアートが取り扱うときに、そのメッセージ性や、主義主張といったものの為にアートが存在するのであれば、アートが、それらの属性であり、言語によって変換可能なものであり、言語の記号的なイメージの枠内に存在することになってしまいますが、今回見た作品の多くは、社会的な事象を上手く取り入れながらも、鑑賞者へ、人間的な価値判断や言語といったものを遥かに超えた「存在そのもの」として、感覚的に強く訴えてくるものが多く感じられました。