ハルカヤマにて 雑感

 早いもので、ハルカヤマ藝術要塞終了まで、後4日。ホントあっという間です。さて、前回、この展覧会に参加して感じたことを、書き記しましたが今回も。
野外ということで、場所の選定から展示方法や作品についての構想を練るのですが、私は今回は、高く真っすぐな樹々のある場所を選んだのです。その真っすぐな木を見上げると、その上には高く空と雲が広がり、樹々はどっしりとした大地と果てしなく広がる空を結ぶ通路のようなイメージを感じ、以前読んだことのある本の一節「木は立ち上がる水である」といったフレーズを思い出し、空から降り注ぐ水、大地に眠るエネルギー、そうしたものが樹木の中を通り、空へ向かってどこまでも伸び、やがて、それらが気化し、循環する。そんなことを想像しながら構想をはかりました。なので、「スケール感」といったものを重視し、実際にも作品のサイズといったことも意識した作品になったように思います。結果、おそらく今までで一番大きな作品になりました。ただ、私の言うスケール感というのは、自然の雄大さというイメージをダイレクトに表した方法だったと思います。自然の強さに対して、それに無謀にもあわせていこうとしたものだったかもしれません。
 しかし、「スケール感」というのは、何もそうした方法ばかりじゃないことも、他の展示などをとおして感じられました。小さくても自然の中に、ひっそりと存在するもの。そうしたものが他にもないかと眼を凝らし、周囲に眼を向けると、同じような作品が見つけられるばかりでなく、そうした眼の動きに合わせ、視界が広がっていき、自然の広がりが次々と眼に飛び込こんできて、今まで見ていた以上に、より豊かな光景として、自然が伸びやかに広がっていく感覚に陥る、そうした表し方もあるんだ、と強く気づかされました。こうした方法というのは、その題名ですとかコンセプト的なものも、もしかしたらあるかもしれませんが、対象から一歩引くことによって、周囲をより際立たせる、想像させる、そんな自分とは逆の発想に思えました。眼に見えるスケール感と、観念としてのスケール感.上手く言えませんが、同じことでも、人に伝える手段として、どういった方法論で伝えていくべきか、そうしたことを考えさせてもらえる場でもありました。会期も後少しとなりましたが、私以外の作品も、見ていただけたら幸いです。
 それと、明日(10月2日)の朝7:45NHKの番組「おはよう北海道」でハルカヤマが生中継になります。皆さん宜しくお願いします。