ハルカヤマにて 雑感

 ハルカヤマ藝術要塞2013始まりました。今年は前回以上の数の作品が展示されています。前回のブログにも書きましたが、自分にとって、この展覧会は、野外ということが大きいのですが、まったく他の展覧会とは違った側面があります。現実的な部分では会場準備などといった面があげられますが、そうしたことだけでなく、これまでの作品制作を見つめ直す良い機会を与えてくれる場でもあります。私の作品は、「平面」ということになりますが、もともと、キャンバスや画用紙などの規格、枠の中から自由に外に飛び出すようにと考え、現在のような作風に至った訳ですが、いざ本当の外(ギャラリーなどではなく野外)に出てみると、自分が考えていることの小ささを、まざまざと実感させられるようです。また、色彩一つとってみても、同じ作品を美術館やギャラリー内で見る場合と野外で見る場合では、全く違います。細部や微妙なニュアンスというのは、当たり前ですが、壁が白く、他に何もない空間だからこそ、色も際立つのです。展示の為に作られた空間というのは、作品鑑賞の上でいかに考えられたものであるか、作品が、そうしたものにフィクションとして守られてきたことも実感します。しかし、野外というのは、周りには、草花、土、樹木、生い茂る緑、空......様々な色が響き合い、その中に「作品」という枠の中にある色が共存する形で、見えるだけです。ここでは、何も作品だからといって、それが主人公なのではなく、周りと共存していかなければ、良い空気が生まれない、そんなことを感じさせてくれる貴重な体験をもたらしてくれます。

 個人的なことをつらつらと記述しましたが、興味を持っていただけましたら、是非、ハルカヤマまでお越し下さい。蚊や虫は多いですが山の空気は良いものですよ。
お恥ずかしながら、9月23日(月)自分のアーティストトークがありまして、全体の司会も務めさせていただく予定です。