規定

 当たり前なんだけど、「自由」を要求されてるような美術にも、「規定」や「制約」ってものがあったりする。その展覧会によって違うけど、場所に展示するのだから当たり前と言えば当たり前のことかもしれない。先月、自分のところに、”白くかたどったサカナの干物”が送られてきた。「その干物に自由にペイントして下さい」というのが今回の「規定」。
 通常の規定と言えば、せいぜい作品サイズや素材くらい。だが、今度は形そのもの。ふだんは、形を考え、制作している自分としては、これはいかがなものか.......。規定の中で自分らしさを出すには、一つは形そのものを自分に引き寄せ、何か付け加えて変化させるという方法もある。だが、ぼんやりと、真っ白な干物を見ていると、その形体に引き寄せら、その形から連想されるままに、引きずられるようにペイントしていった。
 結果、なんか久しぶりに自由に制作できた感じ。「規定」が強い方が、頭の中を自由にできるってのも、なんか不思議。たまに、こういう展覧会が過去にもいくつかあったけど、制約があるって意外と新鮮。他の作家さんの干物も楽しみ。


小名浜国際環境芸術祭「ヒモノアート展2014」
会期:9月20日(土)〜11月9日(日)
会場:アクアマリンふくしま