born again に向け

 

 最近はブログの更新が展覧会情報ばかりですが、また今回も。
2年ぶりの個展を行います。主にこの2年間の自分の作品の方向性を振り返る内容です。新作もあります。下記の通り期間は短いのですが、皆様にご高覧頂ければ本当に嬉しいです。是非宜しくお願いします。

上嶋秀俊展 born again
会 期 : 2011年8月3日(水)〜8日(月)
時 間 : 10:00〜18:00(最終日17:00まで)
会 場 : 札幌市・ギャラリー創
      (中央区南9西6-1-36 U-STAGE 1F Tel. 011-562-7762)
入場無料
作家HP : http://www.flatfield.info/UES/top.html
     
○期間中特別企画  田仲ハル舞踏パフォーマンス 8月7日(日)18:30〜


個展タイトル「born again」に向けた思い、制作途中に考えたことを率直に書こうと思います。3.11以降のことは、非被災地に住む私にとっても、やはり避けては通れぬことでした。あまのじゃくな私は、テレビ等の広告やいろいろな世論の中で「復興 日本」「Pray for Japan」等の謳い文句に、「皆で力を合わせて」という全体主義的傾向や国粋主義的恣意を感じてしまい、あまり好きではないのですが、起きてしまった事実、この現実は、けして無視できないことであり、心情的に、とても大きな事件でした。ただの地震津波といった自然災害、そして原発問題だけではなく、大げさかもしれませんが日本にとって何か歴史的なターニングポイント、いや自分にとってもそれは何かリンクしているような、そんな気持ちがあり、災害の事実に大きな心情的喪失感がありました。きっと私と同じような心境だった方も多くいらっしゃる事と思います。そうした時、思う事は「これからの価値」についてです。表現活動に関わっている方は皆さんそうでしょうが、私も自分の大事な価値観は感じた事に率直である事、それを表す事に他なりません。創作することには、現実的な目的なんてものはありません。創作そのものと表現する事こそが目的です。目の前に何があるのか?この先、どうなるかは分かりませんが、前へ進むしかないと感じています。そうやって、前へ進んだ後に何かを生み出せているかもしれない。それが自分にとっての創作なのです。このことさえ自分には満足できるように出来るかどうか分かりませんが、自分にとって出来そうなのは、こうした行為だけです。私は「思い」こそが人にとっての生命力だと思っています。「感じること」「思うこと」ができるのは素晴らしい人間の特権ではないでしょうか?そうした我々のもって生まれた感覚に感謝し、「一瞬」をいつも感じたいと思います。
「思い」がある限り、この先にはきっと何かが生まれるはずです。

born again