RSRにて

 今年もライジングに出かけるも、自分の年のせいか、時代の流れか、または他の要因か?なぜか今年は出演者が自分の趣味とピンと来る部分が少なく1日のみの参加となった。特に期待せずに何となく見たものが意外と印象的だったりするのも不思議だ。でも、そこがフェスの楽しいところ。
 そんな意外と楽しかったものの一つがPerfume。以前から、ずっとプロデューサーの中田ヤスタカ氏の音作りは気になっていて、フレンチエレクトロなどのキャッチーかつ低音が響くサウンドをうまく取り入れたダンスミュージックを自身のユニットCapsuleなどでもタイミングよくリリースしていたように思う。そうしたサウンドを、さらにお茶の間的にも流通させるべく「Perfume」というアイドルユニットのプロデュースなのかと思っていた。その真意は全くわからないが、思った以上にPerfumeは、こってこってのアイドル。それも、AKBなどの現代のアイドルグループではなく日本歌謡最盛期の70年代80年代のアイドルを彷彿させるものがあった。サウンド的にはエレクトロな今の音でコーディネートしつつも、アイドル(偶像)作りとしての手法は古典的な感じがした。メンバーの
自己紹介では「かしゆかです。あ〜ちゃんです。のっちです。3人合わせて『Perfume』です! よろしくお願いします!」という、なんだか懐かしい昔のアイドルグループのトークも、なんだか意識的。それと、AKBなどが総選挙などでアイドルの喜怒哀楽などの感情をあえて見せる事によってファンからの共感性を得られる劇場型アイドルグループであるのに対し、Perfumeは、全然、素が見えない。ヴォコーダーの声のプラスチックな質感、サウンドにうまく適した機敏で直線的なビートに合わせたダンスの振り付け、サウンドイメージを上手く表したコスチューム、そのミニスカートから伸びる、本来最も肉感的な要素となるであろう、スッラとした脚線美でさえも、とても人工的でプラスチックな印象。ここまで画一的なイメージの統一というのも徹底されていて素晴らしい。それは、なんだか昔のアイドルが作詞家や作曲家、プロデューサーなどの幾人もの人々によって、あるイメージに沿うように偶像化を試みていたことを思い出させた。
 それと、ステージの時間が短いってのも、なんだかアイドルっぽい。