帰ってきた岡村ちゃん

  RSRで、今年2度目の岡村靖幸ライブを見た。そしてRSRの会場で見るのも2004年から2度目のライブ。
今回のライブは2004年のRSRライブを思い出した。その時も確か何度目かの復活ライブであった。その時は噂通りの肥満体で、踊りもなんか動きが、ぷよぷよした感じ....。ダンスのあの切れのよさは何処へ.....。歌も高音があまり出なく、すぐにお疲れの様子。
久しぶりの復活ライブは本来の岡村ちゃんの力を発揮されていなく、ちょっと残念な感じもしたが、そんな彼でも、驚くほど辛抱強く待ち続けた熱心なファンたちは(自分もだが..)再び姿を見せた変わり果てた彼を温かく迎え、会場は、いつまでも大合唱。何ともあたたかなライブだった。

それから8年。
前回の復活からすぐに、同じ罪で、またしての服役......。「もう、だめかな...。」「次の復活はないのかも...」そう思った人も多かっただろうに、またしても彼は、帰ってきた私たちが思い描く「岡村靖幸」として。
今度の復活は、以前とはすっかり違い、すっきりと体型がスマートになったばかりでなく、全盛期に匹敵する、いや上回る強烈な切れのいい自己流ダンス。日本人離れした、ものすごいリズム感。そして、リズムに合わせシャウト、時には甘く、エモーショナルな歌声。素晴らしい!この人は、もう日本のジェームスブラウンなんじゃないだろうか?誰も、そんなことは言わないけれども。
 曲は往年のヒットパレードを連打!まぎれもなく私たちが望んでいた「岡村ちゃん」その人だった。でも、ふと感じられるのは、ファンの多くが、以前の岡村ちゃん像(遥か20年も前)”若く才能豊かなナルシスト” ”ピュアな理想主義者” そのくせ誰より”エッチな妄想家” そんな作られたイメージ上のペルソナを追い求め続けていること、そして何より強くそのことを感じ取り、そのイメージを真摯になぞり「岡村靖幸」というイコンを産み出す。そうした図式を強く感じた。
 彼が生み出した天才的な素晴らしい楽曲の多くは、ほとんど20年くらい前のもの。熱烈すぎるファンの想いに応えようと、過去の自己イメージに捕われ、無理して、がんばりすぎないかが心配だ。
この次は、長い年月を経て、中年となった現在の新しい「岡村靖幸像」を自然体で私たちに見せてほしいと強く思う。