大阪的? 〜シャ乱Qリスペクト〜

UES2010-01-26

 1月は関西方面へ旅行に出かけ、大阪へも行ってきた。瀬戸内海に浮かぶ「直島」という島へ行くのが目的で、ついでに関西圏をぶらっと訪れてみたのだ。北海道に生まれ育った自分としては大阪という土地とイメージは、あまりなじみの無いもので、同じ都市でも東京とはずいぶんと違うものだ。10代、高校生の頃などは東京へ行ってみたいとは思っても、あまり大阪に行ってみたいと思った事は無い。東京が日本の首都であり、何かと文化、情報の発信地と感じるせいではあるが、大阪という街をまるで意識する事等、あの頃は無かった。
 今回、訪れてみて思い出した事だが、ある機会で大阪が急に気になりだした事が過去あった。ちょうど1995年頃。それは「シャ乱Q」全盛の頃だ。この頃は、たしか「危ない1号」とか「電波系」なんかのサブカル本や悪趣味ブームみたいな風潮があった。でも、それらは「うわ〜ひどい悪趣味!」といった当事者からの視点ではなく、客観的に見て面白がっているような視点であり、高見からの見物そのものだったような気がする。だが、シャ乱Qは、どうだろう?そういった悪趣味加減を全く意識しないとあそこ迄、こてこて加減を表面化しないだろうが、パッと見、『バッドテイスト・ポップスター!』といった感のコテコテ感。大阪出身の彼らにはソースの上にはマヨネーズ!引き算の無い美学が身に染みていたのでは?     
 悪趣味なものB級的なものに心奪われてしまう性癖があった自分としては、彼らの登場は非常にショックであった。ここで、当時の彼らの様相を振り返ってみたい。

 衣装、自分たちでもデザインをしていた模様。当時流行していたシャネルの服をアレンジしたかのような衣装。ただし、ビニール素材で非常に安っぽい。ピカピカのアクセサリー!刺繍の入ったサテン地のジャケット!ホスト×ヤクザといったところか?それと、ある音楽番組に出演したときの事だが第一声で「いらっしゃいませ〜シャ乱Qで〜す。」やはり、コレは確信犯であると確信した。明らかに、これらは水商売的イメージを意識したものだったのでは?極めつけはツアーグッズの存在。シャ乱Q特製のイチゴ型バイブレーターを販売していたそうです!もう、どうしようもない程意識的「悪趣味」。ですが、こうした事も、それなりの素地がなければできぬこと。それが大阪という土地が生んだのであれば「いったいどんな場所なのだ?」と、大阪という存在が気になっていた事もありました。
 そうした事を思い出しながら大阪を今回、歩きましたが、やはりここなのだなと思った場所は「通天閣のある新世界」通天閣は、けして、それほど高くないタワーでありつつ、地元に愛され続ける言葉にならぬ魅力が確かにありありました。ネオン広告ででピカピカと光る外装。エレベーターの中はブラックライトで天井にビリケン様。
展望台の内装は、まるでラブホのような俗っぽいゴージャス感。ありましたよ!これですこれ!シャ乱Q的なるものの下地というのは、こういうところにあったのですね。それにしても、あれから15年くらい経ってしまいましたが、シャ乱Qが売れた理由というのが未だに理解できません。いくら水商売的なものを意識的に前面に押し出しても、お水関係者だけに人気が出ても、それほどのヒットなんかにはならないです。多くの人があれが良いと思ったのですよね?あそこ迄売れた、多くの人に受け入れられたのが不思議でなりません。みんな「わはは!」と笑っていた訳ではないですもんね。メロディーは極めて演歌的な感じがしましたね。そこが善かったのでしょうか?それにしても語れば語る程凄い存在でした。演歌調メロとキラキラ悪趣味ファッション。それと化粧顔。全てにおいて、何の必然性も無い。
 ここ迄、「統一性」「必然性」と無関係で、堂々としているって、それだけで凄いです! 
「リスペクト シャ乱Q!」